佐藤和幸
断熱塗料と遮熱塗料は、どちらも夏の暑さから室内を守る効果があります。名前が似ているため混同されやすい塗料ですが、実は性能や効果には大きな違いがあります。
このページでは、断熱塗料と遮熱塗料の特徴や具体的な効果の違い、代表的な塗料についてご紹介しています。ぜひ、ご希望の断熱・遮熱対策にはどちらがベストな塗料か選ぶ参考にしてみてください。
断熱塗料と遮熱塗料の効果
断熱塗料
断熱塗料は、熱伝導を抑えることができる塗料のことです。断熱材のように室外と室内の熱移動を抑制することによって、夏場は外の熱を室内に伝わりにくくし、冬場は室内の暖かい熱を外に逃がしにくくする効果があります。
そのため、1年を通して室内を快適な温度に保つことができ、光熱費の削減の効果も期待できます。
遮熱塗料
遮熱塗料とは、太陽光を反射することができる塗料のことです。塗膜が太陽光を反射することで、建材の温度上昇を抑制し、室内への熱の流入を抑える効果があります。
そのため、夏場の室温上昇を抑えることができ、冷房の負荷を抑える効果も期待できます。
断熱塗料と遮熱塗料の違い
冬場の保温効果
断熱塗料には、熱移動を抑制する効果があるため、魔法瓶のように冷たい外気が室内に伝わりにくくし、室内暖かい熱が室外へ逃げてしまうのを防ぐ保温効果が期待できます。
ただ、遮熱塗料には、建材が高温になるのを防ぐことによって室内の温度上昇を防ぐ効果は期待できますが、断熱塗料のような本温効果はありません。
塗料の単価
それぞれの塗料の単価は、どの塗料を選ぶかによって異なりますが、一般的には断熱塗料の単価は、3,500円~4,000円程度で、遮熱塗料の単価は、2,600~3,500円程度が相場となります。
耐用年数
耐用年数も塗料によって異なりますが、断熱塗料は12年~20年程度、遮熱塗料10~20年程度が目安となります。
断熱塗料と遮熱塗料はこんな方におすすめ!
夏場の室温を2~3℃下げたい
断熱塗料や遮熱塗料を屋根や外壁に塗布することで、夏場の室温を2~3℃抑える効果が期待できます。室内が上昇しにくくなることによって、エアコンの電力消費を抑えられ省エネにもつながります。
最上階の温度を下げたい
最上階は、屋根からの熱の影響が部屋に出やすいため、1階よりも温度が高くなりやすい傾向があります。そのため、最上階の部屋ではより断熱塗料や遮熱塗料の効果が現れやすくなります。最上階にリビングや寝室がある場合は、断熱塗料や遮熱塗料がオススメです。
天井が吹き抜けている
天井が吹き抜けの場合には、部屋全体の体積が増えることによって冷房が効きにくいという特徴があります。また、斜め天井の吹き抜けの場合には、屋根裏空間が設けられていないことで、屋根材に蓄熱した熱がダイレクトに室内に伝わってしまいます。
そのため、遮熱塗料や断熱塗料で塗装することで、室内の温度を快適に保つ効果が期待できます。
金属屋根の家
金属屋根は、他の屋根材に比べ熱伝導が高く、高温になりやすいという特徴があります。その影響によって室内温度が上がりやすいため、断熱塗料や遮熱塗料の効果がより期待できます。
夏は涼しく、冬は暖かくしたい
遮熱塗料には、夏の室温を下げる効果がありますが、冬の暖かい室内の熱を逃がさない保温効果はありませんので、夏は涼しく、冬は暖かくしたいという場合には、断熱塗料がオススメです。
断熱塗料は、断熱材のように室外と室内の熱移動を抑制する効果が期待できるため、1年を通して室内温度を快適に保つことができます。また、断熱塗料は、夏の冷房費だけでなく冬の暖房費も抑えられるので、年間の電気料金が大幅に節約できます。
代表的な塗料
断熱塗料
・GAINA(ガイナ)
GAINA(ガイナ)とは、株式会社日進産業が開発した断熱塗料です。耐用年数は15年~20年程度で、施工単価は3,500~4,500円/㎡程度が相場となっています。
断熱や遮熱機能のほか、防音、空気清浄、消臭、防露、防汚など、様々な機能があり、断熱塗料の中で高いシェアを占めている塗料です。
・キルコ
キルコとは、株式会社キルコート・ジャパンが開発した断熱塗料です。耐用年数は15年~20年程度で、施工単価は3,500~4,500円/㎡が相場となっています。
断熱や遮熱機能だけではなく、伸縮率が200~250%と非常に伸縮性に優れているという特徴もあります。また、水性でF☆☆☆☆の安全な塗料なので、人にも環境にも優しく、施工時の臭いも抑えられます。
遮熱塗料
・サーモアイ
サーモアイとは、日本ペイント株式会社が開発した遮熱塗料です。サーモアイシリーズの中でもサーモアイ4Fは屋根用フッ素塗料です。耐用年数は12~15年年程度で、施工単価は3,500~4,200円/㎡程度が相場となっています。
独自の4フッ化フッ素技術により、シリーズの中では最も耐候性、光沢保持性に優れています。また、上塗りと下塗りに遮熱塗料を使用する「ダブル反射」によって、長期にわたり高い遮熱効果を維持できるのが最大の特徴です。
・EC-5000PCM(IR)
EC-5000PCM(IR)とは、株式会社アステックペイントが開発した遮熱塗料です。耐用年数は15年~20年程度で、施工単価は3,400~3,800円/㎡程度が相場となっています。
遮熱機能に加え、600%という優れた伸縮率によって、建物の動きやひび割れに塗膜が追随し、雨水の浸入を防ぐ効果が期待できます。また、高純度なピュアアクリル樹脂が配合されることで、耐久性や低汚染性などの高い機能を兼ね備えた塗料です。
まとめ
制する効果があります。一見似ている塗料ですが、それぞれ異なる機能を持っています。
どちらも夏場の室内温度を下げる効果があるため、金属屋根や吹き抜けなど室内が暑くなりやすい建物では断熱塗料や遮熱塗料は非常に有効で、冷房費用を下げる効果も期待できます。
ただ、冬場の保温効果を期待できるのは断熱塗料のみとなりますので注意が必要です。
また、建物の構造によっては断熱効果を十分に得られない恐れもあるので、建物の構造や周囲の環境を十分に考慮してから塗料を選ぶことが大切です。
佐藤塗装では、塗装を熟知した塗装のプロと構造を知り尽くした建築構造のプロが、「立地環境」「建築構造」をしっかりと考慮した上で建物を診断し、お客様お一人、お一人のライフスタイルに合ったプランをご提案させていただきます。
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