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縁切りとは

縁切りとは

屋根材の中でも、スレートやコロニアル屋根などの場合、板状の屋根材が一枚一枚重なり合って固定されており、屋根材が重なり合う部分には隙間が設けられています。

この隙間には、屋根内部に入り込んだ雨水を排水するという重要な役割を果たしていますが、塗装によって塗料が隙間に入り込んだまま乾燥してしまうと隙間を塞いでしまうのです。

縁切りとは、この塗装によって塞がってしまった部分の塗膜を切断して隙間を設けるための作業のことです。

縁切りをしないケース

縁切りを必要としないケースとしては、主に「新築から初めての塗り替え」の場合と「屋屋根材の隙間が4mm以上ある」場合の2ケースあります。

新築から初めての塗り替えの場合、屋根材の間には十分な隙間があり、塗装をしても隙間が塞がることがないので、縁切りをする必要はありません。

ただ、塗り替えを繰り返すことで屋根材に厚みがでて隙間が狭くなっていくので、2回目以降の塗装で隙間が埋まってしまうような場合には、縁切りが必要になります。

また、屋根材は、紫外線が当たることで自然と外側に反っていきます。

広く開いた隙間に、タスペーサーを差し込んだとしても固定できず、すぐに落ちてしまうため屋根材の隙間が4mm以上ある場合も縁切りの必要はありません。

縁切りをしないと雨漏りの原因になる？

屋根材が重なり合う部分に設けられている隙間には、屋根内部に入り込んだ雨水を排水するという役割があります。

そのため、塗装によって隙間を塞いでしまうと雨水を外に排水することができず、内側に溜まった状態になってしまいます。

また、隙間が狭くなると「毛細管現象」が起こる原因にも繋がります。

毛細管現象とは、スポンジやストローのように細い管（毛管）に液体が吸い寄せられる現象のことで、屋根材の隙間が狭くなることで、雨水が内側に吸い上げられてしまいます。

このような理由で、屋根内部に溜まった雨水が排水できず、屋根材の下にある防水シートや下地材まで劣化してしまうことで、雨漏りが発生してしまうのです。

縁切りの工法は2種類

縁切りには、「縁切り工法」と「タスペーサー工法」の2つの工法があります。それぞれの特徴は以下の通りです。

従来通りの縁切り工法

縁切り工法とは、塗装完了にカッターや皮スキと呼ばれる専用の道具使って、塞いでしまっている塗膜を手作業で切断して隙間を開けていく方法です。

ただ、この従来通りの縁切り工法では、塗装を仕上げた後に作業を行うため、硬く乾いた塗膜を切断していくためには、2人がかりでも丸1日ほどの時間が必要となります。

また、せっかく仕上げた塗装を傷付け、屋根を汚してしまう可能性もあるため、現在ではあまりこの工法は採用されることはありません。

タスペーサー工法

タスペーサーとは、セイム社から販売されている商品の名称で、先端が尖った形状をしたポリカーボネート製の器具のことを指します。

タスペーサー工法では、このタスペーサーを下塗りが完了した時点で屋根材の隙間に差し込むことで、中塗り・上塗りで塗料が隙間を塞ぐのを防ぎます。

従来の工法と違い、あらかじめ隙間を確保できるので、カッターなどで切る手間もかからず、塗装後に屋根に登って屋根を傷つける心配もないことから、現在はタスペーサー工法が主流となっています。

縁切りの費用

縁切りの費用は、使用するタスペーサーの種類や屋根の勾配などによって異なりますが、従来の縁切り工法の場合は、1㎡あたり500円～800円程が相場となります。

30坪の戸建住宅を施工する場合、費用は40,000円〜60,000円程度必要となるでしょう。

タスペーサー工法の場合は、1㎡あたり300円～500円程が相場となり、30坪の戸建住宅を施工する場合の費用は20,000円〜40,000円程度となります。

まとめ

縁切りは、屋根内部に雨水が溜まった雨水を適切に排水するための重要な作業です。この作業を怠ってしまうと、屋根内部の雨水が排水できずに雨漏りを引き起こしてしまう恐れもあります。

屋根材の状態によっては縁切りを必要としないケースもありますが、悪質な業者の場合、縁切りが必要な状況であるにもかかわらず手抜き工事をして縁切りを行わないケースも存在します。

そのため、必ず見積内容を確認して縁切りが含まれていない場合には、なぜ縁切りが必要ないのか確認しておくことが大切です。

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