外壁は、紫外線や雨風の影響を受けて日々劣化していきます。
そのため、定期的に塗り替えを行い建物の表面を保護する必要がありますが、既存の模様やデザインが気に入っていているため、塗り潰してしまいたくないとお悩みの方も少なくありません。
そのようなお悩みを抱えている方におすすめしたい塗料がクリヤー塗料です。このページでは、クリヤー塗料の特徴やメリット、注意点について詳しくご紹介します。
クリヤー塗料とは
クリヤー塗料とは、着色用の顔料が含まれていない無色透明な塗料のことです。着色していない透明な塗料なので、既存の模様やデザインをそのまま残して塗装することが可能です。
また、一般的な顔料が含まれた塗料と同様に、シリコンやフッ素など、塗料に配合されている樹脂によって耐久性やグレードがことなります。
クリヤー塗料のメリット
外壁のデザインを残せる
無色透明な塗料なので、既存の模様やデザインを残して塗装することができるというのが、クリヤー塗料の最大のメリットと言えるでしょう。
そのため、意匠性の高いレンガやタイル調などサイディングの場合や、今のデザインが気に入っているという方には、クリヤー塗料が最適です。
外壁の保護ができる
クリヤー塗料には、着色のための顔料は含まれていませんが、耐久性を維持するための合成樹脂は配合されています。
そのため、色の付いた一般的な塗料と同様に、紫外線や雨風などから外壁の塗装面を保護することができます。
艶を出すことがきる
クリヤー塗料にも製品によって艶の有無があり、「艶あり」「3分艶」「艶なし」の3種類から艶の度合いを選ぶことができます。
光沢感の強い艶ありは、汚れが付きにくく、新築のようなツヤツヤとした光沢が特徴です。また、艶なしは、艶ありに比べると汚れは付きやすいですが、落ち着きのある雰囲気に仕上げることができます。
チョーキングが発生しない
チョーキングとは、塗膜が劣化することで塗料に含まれている顔料が粉状になって表面化する現象のことです。
クリヤー塗料には、チョーキングの原因である顔料が含まれていないため、チョーキングが発生しません。
クリヤー塗料の注意点
劣化が激しい場合はクリヤー塗装はできない
透明なクリヤー塗料では、ひび割れや色あせなどの劣化症状が現れてから塗装をしてしまうと、劣化部分もそのまま透けてしまうため、見栄えが悪くなってしまいます。
そのため、塗装面の劣化が激しい場合には、クリヤー塗料を使用することはできません。
また、塗装面にチョーキングが発生している場合には、その上からクリヤー塗料で塗装をすると、白く濁った仕上りになってしまったり、付着不良や剥離、剥がれの原因になる恐れがあります。
新築から10年以上経過した建物では、塗装面の劣化が進行していることで不具合が生じてしまう可能性が高くなりますので、クリヤー塗料をお考えの方は、新築から7~8年程度を目安に検討されることをおすすめします。
クリヤー塗装できないサイディングがある
フッ素や無機、光触媒といった塗料が施されている塗装面では、クリヤー塗料による塗装が難しい場合があります。
フッ素や無機、光触媒などは、親水性や撥水性に優れている塗料なので、上からクリヤー塗料で塗装しても弾いて密着せずに剥がれてしまう可能性があります。
従来の下塗り材よりも密着力と耐久性をさらに向上させた、特殊コーディングに適した専用の下塗り材を使用することで塗装できる場合もあります。
ただ、全ての状況に使用できるというわけではないので、施工可能かは業者に判断してもらわなければなりません。
クリヤー塗料の施工方法
クリヤー塗装は2回塗り
通常の塗装工事では、「下塗り」「中塗り」「上塗り」の3回塗りが一般的です。
しかし、クリヤー塗料の場合には、色の付いた下塗り材は使用できないため、下塗りを行わなくても下地に密着するよう設計されているため、「中塗り」「上塗り」の2回塗りが基本となります。
コーキング部分の塗装
コーキング部分の上にクリヤー塗料で塗装してしまうと、塗膜の汚れや剥離が発生する恐れがあるため、コーキング部分の上から塗装をすることはできません。
そのため、コーキング工事を行う場合には、塗装完了後に後打ち工法で施工を行う必要があります。
クリヤー塗料の価格
クリヤー塗料の価格や耐久年数は、塗料に配合されている樹脂によって異なります。樹脂による塗料のグレードごとの価格相場は以下の通りです。
塗料 | 施工単価(/㎡) | 耐久年数 |
---|---|---|
アクリル | 1,000~1,800円 | 3〜8年 |
ウレタン | 1,500〜2,500円 | 5〜10年 |
シリコン | 2,000〜3,500円 | 10〜15年 |
フッ素 | 3,000〜4,800円 | 12〜20年 |
無機 | 3,500〜5,500円 | 12〜20年 |
UVプロテクトクリヤー(日本ペイント)
施工単価:2,000円~2,400円前後
耐久年数:8~12年
アクリルシリコン樹脂タイプの塗料で、耐候性が高く、低汚染性に優れているため、汚れの下に雨水が入り込み、汚れを浮き上がらせてそのまま流し落とすことができます。
また、防かび・防藻性によってカビや藻の発生も長期間抑制することができ、紫外線吸収剤の働きによって、色あせを最小限に抑える効果も期待できます。
UVプロテクト4Fクリヤー(日本ペイント)
施工単価:3,200円~3,800円前後
耐久年数:10~15年
UVプロテクトクリヤーと同シリーズのフッ素樹脂タイプの塗料です。4フッ化エチレンの強力な結合により、より高い耐久性を維持することができます。
まとめ
今の外壁のデザインが気に入っている、今の色をそのまま残したいという方には、クリヤー塗料がおすすめです。
ただ、建物の劣化状況によっては、クリヤー塗料が使用できない場合もあるので、早めに建物の状態をチェックし、劣化が進行してしまう前に検討することが大切です。
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