塗装工事が完了した直後や数年以内に現れた色ムラは、職人の技術力や知識不足による施工不備が原因と考えられます。
外壁塗装にできた色ムラは、美観を損なうだけではなく、塗膜の防水機能が正常に機能していない可能性があるので注意が必要です。
このページでは、外壁塗装に発生する色ムラの原因や補修方法についてご紹介しています。
色ムラの原因
外壁塗装の色ムラの原因としては、以下のケースが考えられます。
下塗りが不十分だった
外壁塗装を行う場合は、基本的に下塗り、中塗り、上塗りの計3工程で塗装を行います。下塗りには、下地を均一にならし、塗料の密着性を高めたり、上塗り材が下地に吸い込まれるのを防ぐ役割があります。
しかし、下地の劣化状況を考慮せずに機械的に作業を行ってしまうと、上塗り塗料の吸い込みが収まらないことで色ムラができてしまう場合があります。
塗料の乾燥時間を守らなった
塗料メーカーが塗料ごとに定めている乾燥時間を守らずに作業をおこなった場合、上塗り材がしっかりと接着せずに色ムラができてしまう可能性があります。
また、高圧洗浄の乾燥が不十分だった場合も、同様に色ムラが発生する恐れがあります。塗料の種類や天候によっての違いはありますが、基本的に塗り上がりから3〜4時間以上は乾燥させる必要があります。
塗料の取り扱いに不備があった
塗料は、各メーカーごとに気象条件や希釈率などが細かく定められています。
この規定を守らずに塗装をしてしまうと、「塗膜の厚みが適切ではない」「塗料が薄まりすぎてしまっている」などの理由から塗料本来の機能が発揮できずに、色ムラができてしまう可能性があります。
中塗りと上塗りで色を変えた
あまりお勧めしませんが業者の中には、きちんと中塗りをしていることが確認できるように、中塗りと上塗りの色を変えて施工する業者もいます。
一見いい方法にも思えますが、上塗り塗料よりも中塗り塗料の色が濃い場合、中塗りの色が透けて見えてしまったり、上塗り塗料の色が混ざって色ムラがあるように見えてしまう恐れがあります。
また、経年劣化により塗膜が薄くなったり剥がれてしまうと、中塗りの色が見えて色ムラになってしまう可能性もあります。
塗装業者の技術不足
外壁塗装は、刷毛やローラー、スプレーなどの道具を使い分けて、手作業で施工するため、それぞれ職人の腕が仕上がりに大きく影響します。
そのため、職人の技術力や知識不足によって適切な施工が行われなかったことで、色ムラが発生してしまう恐れもあります。
補修が必要な色ムラの程度
外壁の色ムラには、光の当たり方や見る角度によって色ムラに見えるケースと施工不良によるケースの2種類があります。
光の当たり方や見る角度によって、色ムラがあるように見える場合には、塗膜の性能や美観に問題がある訳ではないので、補修の必要はありません。
ただし、明らかに色の濃淡が目立つ仕上がりの場合は、手抜きや施工不良による色ムラの疑いがあります。
このような場合は、依頼した業者へすぐに相談するようにしましょう。
補修方法と費用
外壁塗装の色ムラの場合は、塗り直しで補修をします。補修費用は、塗り直しの範囲や足場の有無によって変わりますが、保証期間内であれば、施工業者が無償で補修を行います。
しかし、色ムラの程度には明確な基準がないため、個人の主観によっての判断となります。そのため、施主と業者での意見の食い違いなどトラブルに発展するケースも少なくありません。
万が一、「業者が取り合ってくれない」「業者の対応に納得できない」という場合には、消費者センターなどの第三者機関へ相談するようにしましょう。
トラブルの相談先としては、弁護士の他に以下の窓口があります。
住宅リフォーム・紛争処理支援センター | 国土交通大臣から指定を受けた住宅専門の相談窓口で、技術的問題から法律的問題まで幅広く相談を受け付けています。 |
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国民生活センター | 消費者庁が管轄する相談窓口で、外壁塗装を含むさまざまな売買契約のトラブル相談を無料で受け付けています。 |
まとめ
外壁塗装の色ムラが、光の当たり方や見る角度によるものではなく、明らかに色の濃淡が目立つ仕上がりの場合は、手抜き工事や施工不良が原因と考えられます。
色ムラを見つけた場合、塗料の機能が十分に発揮されていない可能性があるので、依頼した業者へ相談し塗り直して補修を行いましょう。
万が一、業者が適切に対応してくれずトラブルに発展してしまいそうな場合には、一人で悩まず第三者機関の窓口へ電話で相談してみましょう。