金属製の屋根や外壁を使用している場合、いつの間にかサビが発生してしまうケースが少なくありません。サビは、美観を損ねるだけではなく、サビが進行してしまうと、防水性や耐久性の低下にもつながります。
サビから建物を守るためは、定期的に点検を行い、サビが進行する前に対策をすることが重要です。
このページでは、サビが発生する原因や種類、サビが発生したときの補修方法についてご紹介しています。
外壁屋根に発生するサビ
サビとは、金属が水分に触れることで起こる腐食現象によってできる「金属酸化物」のことを指します。外壁や屋根では、主に金属系の外壁材や屋根材、建物内部や付帯部分の金属からサビが発生します。
サビをそのまま放置してしまうと、外壁や屋根に穴が開いてしまったり、建物の耐久性や耐震性が低下してしまう恐れもあるので、サビを発見したら早めに対処するようにしましょう。
サビの種類
外壁や屋根に発生するサビの種類としては、以下の4種類があります。
赤サビ
赤サビは、鉄の表面に空気中の酸素や水分に触れることで発生します。一般的に最もよく見られる種類で、赤茶色の見た目をしています。
水に溶けやすく、鉄そのものを腐食させる性質があり、サビが浸食していくと触れただけでボロボロと崩れてしまうようになります。
また、赤サビは一度発生すると拡大するスピードが早いので、小さな傷からどんどん奥へと錆を広げていってしまいます。
そのまま放置してしまうと、外壁や屋根に穴が開き、雨漏りが発生してしまう恐れもありますので、赤サビを見かけたら早めに対処することが重要です。
黒サビ
黒サビは、鉄や銀の表面を高温で熱したりすることで発生する酸化被膜で、自然に発生することはありません。
黒サビは硬くて密着度が高いため、雨水や酸素から鉄表面を守るの保護膜の役割を果たし、赤サビが侵食するのを防ぐ効果があります。
黒カビの代表的なものとしては、鉄棒やマンホール、南部鉄器などが挙げられます。
白サビ
白サビは、亜鉛めっきの表面が空気中で酸化することで発生します。腐食の原因となる強酸性物質や有機酸、食塩、水などが付着することで、チョークのような白い粉末状のサビが現れます。
外壁材や屋根材として使われているトタンやガルバリウム鋼板は、鋼板の表面に亜鉛のメッキ処理が施されていますが、メッキ層を保護している塗膜が剥がれてしまうことによって、白カビが発生するようになります。
白サビは、赤サビのように金属そのものを腐食させる効果はありませんが、メッキ層を保護していた塗膜が剥がれ、剥き出しになってしまったメッキ層が経年などによって薄くなっていくことで鋼板露出し、赤サビが発生してしまう恐れがあります。
青サビ
青サビは、真鍮や銅の表面に空気中の酸素や水分に触れることで発生します。青サビは、青緑色をした酸化被膜で、「緑青(ろくしょう)」とも呼ばれています。
抗菌力や耐食性に優れているという特長があり、黒サビと同様にあえて表面に青サビ発生させる場合もあります。
また、青サビは水分が触れた部分にしか発生しないので、銅表面に発生した青錆で、銅の腐食を抑えることができます。
神社やお寺などの和風建築でよく目にする銅屋根は、銅が雨風に長い年月さらされることによって、味わい深い緑青へと色が変化していきます。その意匠性の高さも大きな特徴です。
サビが発生する原因
外壁や屋根でサビが発生する原因としては、以下のケースが考えられます。
建物内部に浸入した水分
外壁に小さなクラックが発生すると、その部分から雨水が建物内部に浸入してしまう場合があります。浸入した雨水が、建物内部の金属や鉄筋部分に付着することで、サビが発生する可能性があります。
特に、鉄筋コンクリート造の建物の場合、鉄筋に発生したサビが膨張することによって、コンクリートを押し出し「爆裂現象」につながる恐れもあるので注意が必要です。
鉄部に付着した水分が原因
金属系の外壁材や屋根材、ベランダなど屋外に設置された鉄部には、あらかじめサビを発生させないよう防サビ剤でコーティングされています。経年や紫外線などの影響によって表面を保護していたコーティングは徐々に劣化していきます。
劣化が進行すると、保護膜が剥がれたり傷が付き鉄部分が露出することで、サビが発生してしまいます。
また、サビが発生した箇所に雨が当たり、流れ出たサビが外壁などを伝うことでサビが定着してしまう場合もあります。
もらいサビ
もらいサビとは、建物周囲で発生したサビが外壁などに直接触れたり、雨や風などの影響によって移ってしまう現象のことです。
また、もらいサビは金属以外の素材でも発生する場合があり、もらいサビによって発生したサビは進行が早いため、建物周辺にサビが発生しやすいものを置かないよう注意が必要です。
サビが発生しやすいものとして代表的なものは、いかの通りです。
・自転車
・照明
・フットライト
・脚立
・ホース
・スコップ
手抜き工事
手抜き工事によってもサビが発生する場合があります。
手抜き工事によってサビが発生する原因は様々ですが、外壁塗装をしたにもかかわらず3年以内にサビが発生した場合には、手抜き工事や施工不良の可能性が考えられます。
また、1年以内にサビが発生した場合は、ケレン作業の手抜き工事によって内部のサビが取り除けてなかった可能性もあります。
通常、金属部分の塗膜や防サビ剤が適切に機能していれば、5年程は効果を保つことができますので、施工後短期間でサビが発生してしまった場合は、再修繕できないかなどを業者へ相談してみましょう。
サビが発生したときの補修方法と費用
外壁の補修方法
外壁にサビが発生してしてからあまり時間が経っていない場合は、水道の蛇口にホースを付け先端を指で潰し水圧をかけて外壁を洗浄するだけで落ちる場合があります。この時、サビ取り用の洗剤やブラシなどを併用するとさらに効果的です。
ただし、サビが内部まで達してしまっている場合には、この方法でサビを落とすことは出来ません。サビが落ちないからと外壁を強く擦りすぎてしまうと、外壁自体を傷つけてしまう恐れもあるので注意しましょう。
サビが内部まで進行してしまっている場合は、、高圧洗浄やケレンで完全にサビを取り除いてから、サビの再発を防ぐために、サビ止め塗料と上塗り塗料で塗装をして表面を保護します。
費用は業者や状況によって変わりますが、サビ落とし(ケレン)の費用は1㎡あたり200~2,000円程度、サビ止め塗料の費用は1㎡あたり300〜900円/㎡程度が相場となります。
その他にも、足場費用や高圧洗浄、上塗り塗料など各工程ごとの費用が発生します。
屋根の補修方法
屋根にサビが発生した場合も外壁同様に、高圧洗浄やケレンで完全にサビを取り除いてから、サビの再発を防ぐために、サビ止め塗料と上塗り塗料で屋根材を保護します。
しかし、サビの進行が重度な場合は、塗装で補修ができない場合もあります。その場合は、カバー工法や葺き替えによる補修が必要となります。
カバー工法や葺き替えが必要な場合の費用の相場としては、約30坪の建物でカバー工法を行う場合約70~120万円程度、葺き替えを行う場合は、約100~250万円程度が相場となります。
被害が拡大してしまうと補修費用も高額になってしまう恐れもありますので、定期的に点検をして、早めに対処することが大切です。
まとめ
外壁や屋根でサビが発生すると、美観を損ねるだけではなく、建物の耐久性や耐震性の低下につながる恐れがあります。
一般的によく見られる赤サビは、腐食が進行するするスピードが早いので、一度発生するとサビが広範囲に広がり、屋根材や外壁材に穴をあけてしまう可能性もあります。
開いた穴から雨漏りが発生し、最悪の場合、建物の構造体自体に大きなダメージを与えてしまう危険性もありますので、建物を維持するためにも定期的に建物を点検し、早期の段階で対処することが大切です。
ご自宅でサビにお悩みの方は、ぜひ株式会社佐藤までお気軽にご相談ください!